日本質的心理学会 第15回大会

プログラム

大会日程

プレ企画 フィールドワーク申し込みを締め切りました

11月23日(金)12時 那覇空港国内線1階 到着口A側水槽前集合

  • Aコース(定員20名)
    那覇空港~普天間飛行場周辺(嘉数高台 佐喜真美術館)昼食~嘉手納基地周辺~辺野古キャンプシュワブ・大浦湾周辺~名護市内(18時ごろ解散予定)
  • Bコース(定員20名)
    那覇空港~糸満道の駅(弁当購入)~ ひめゆりの塔~ 魂魄の塔~昼食(大度海岸)~
    平和祈念公園(平和祈念資料館 健児の塔 韓国人慰霊の塔 平和の礎)~
    第一野戦病院壕跡(八重瀬岳)~ 那覇空港道(南風原南インターから)~ 中城休憩所~
    名護市内(19時ごろ解散予定)

Aコース、Bコースとも専門の平和ガイドが案内します。両コースとも専用バスで移動しますが、歩く所も多いので、それにふさわしい服装や靴でお願いします。

参加費

5000円(申し込み後振り込みしてください)

申し込み

以下の記載をしてメールで学会事務局shitu15meio[at]gmail.com([at]を@に置き換えてください。)宛に申し込みをしてください。事前のお問い合わせも大丈夫ですので、遠慮なくご連絡ください。

  • コースAかB
  • 氏名
  • 所属
  • 資料郵送先住所
  • 連絡先電話番号
  • 連絡先メールアドレス
  • 23日宿泊ホテル名・住所(決定してからでもOK)

申し込み締め切りは8月25日ですが、定員になり次第、先着順で締め切ります。
申し込み後、参加費の振り込み先を通知いたします。

多くの方のご参加をお待ちしています。

大会企画

(1)1日目 11月24日(土)10時~12時 シンポジウム

場所の力とスピリット ー沖縄で語りあおう

企画
やまだようこ(立命館大学)・南 博文(九州大学)
司会
南 博文(九州大学)
話題提供
やまだようこ(立命館大学)
石井宏典(茨城大学)
大城凌子(名桜大学)
指定討論
南 博文(九州大学)
企画趣旨

沖縄は多くの美しい南の島々からなり、海洋文化が重奏する場所であり、民衆の共同体が息づく場所であり、ふしぎな「気(スピリット)」がただよう場所である。それは、内の者にとってはもちろん、外からやって来る者にとっても、こころ魅かれ、こころ満たされ、こころ開かれる特別な力を持つところである。

場所がもつ力は、ゲニウス・ロキと呼ばれる。沖縄という土地(loci)に宿る、たましい、精霊、原初的なもの(Genius)の声に耳を澄ましてみよう。「心」が、個人の単位に孤立して考えられがちなのに対して、ガイスト(Geist)は、第一義的には、共同的な働きである。たましいは、故郷を持ち、そこに帰って行くという観念が、宗教と呼ばれる以前に人々が抱いた共同体意識の原型のひとつであっただろう。

人のこころは、もともと共同体の中に生まれ、育くまれ、いくつもの世代を超えて引きつがれてきた大きな次元の「こころ」の働きに属すものであった。そして、それは場所に根ざしたもの、ローカルなものである。そして、ローカルなものこそ、多様な声を発する源になる。

沖縄という場所に宿るスピリットとは、何だろうか。それは人々が生きる息づかいであり、人と人が行き交う市場にただよう気配であり、人々の骨格をつくっている精神であり、この世とあの世をむすぶたましいの動きであり、新鮮な新しい空気を吸い込んでいのちをつないでいく営みである。

沖縄は、そこにひそむ「スピリット」にふれあえる、何かに出会える期待をかき立てる場所である。本シンポジウムでは、ロ-カリティ(場所に根ざした)とダイバーシティ(多様性)を大切に、沖縄について語ってみたい。さまざまな観点から、さまざまに多声的な響きを奏でて、沖縄という「場所」で、聴衆のみなさんと共に語りあう場がつくれたらと願っている。

(2)1日目 11月24日(土)13:30~15:00 市民公開講演

「沖縄を語る」
東江平之先生(琉球大学名誉教授 名桜大学名誉教授 元名桜大学学長)

設定されたテーマは私にとって大きなチャレンジである。沖縄の自然、文化、歴史、人々の経験には極めて豊富な多様性と固有性があり、その全体像を的確に描き出すことは、私には手に負えない挑戦である。しかし沖縄で生まれ育ち、80年余にわたり、沖縄と運命を共有してきた自分にとって、避けては通れない課題であり、社会に対する責任でもあると自覚している。

本課題への取り組みに以下の3つの切り口を設定した。

第一の「私の中の沖縄」では、私の生い立ちや、共同体における暮らしや遊び、行事や祭りなど、私の中に「沖縄らしさ」をしっかり根付かせたものについて、あと一つは、嵐のごとく襲いかかり、私のアイデンティティを揺さぶった近代化日本の戦争の歴史と郷土を破壊し多くの同胞を犠牲にした沖縄戦の実体験について触れたい。第二の「私の環境、私の世界」では、沖縄の地理や自然の個性や多様性について、第三の「沖縄理解への視点」では、沖縄を見る目に、歴史的展望の重要性と、現在のおきなわを取り巻く状況を理解することが不可欠であることを指摘する。

1)ここでは私の生い立ちと、やや長い成長の過程を振り返る。農家の9人兄弟の8番目に生まれ、無自覚の内に家族や共同体の影響を受けて成長する過程で、人間関係の評価や原初的宗教観が形成されていくが、それこそが私の中の沖縄の核に他ならない。また、日本の戦争の歴史が、良かれ悪しかれ、私の自己概念に大きな影響を与えたことは否めない。しかし私の価値観に決定的な影響を与えたのは、沖縄戦の体験と、それにつずく抑圧的な現実であった。沖縄が私の中にどっしりと居座るようになったと言っても過言ではない。

2)沖縄の自然と地理は「沖縄らしさ」の形成に深く関わっている。温暖な気候は独自の植生や生活様式を選択的に定着させ、地理的配置構造は遠隔圏の影響を阻み、人間を含む生物の個性や固有性の形成や温存に寄与している。沖縄文化における世界観、自然観、死生観にも沖縄の自然条件の影響が色濃く反映されている。このような自然環境における私の生活誌が私の世界観を形成しているものと観ている。

3)ここでは主に沖縄に対する先入観や認知的バイヤスの修正に役立つと思われる二つの視点を取り上げる。「昨日があって今日がある」と言う認識が第一である。近代化の中で何が失われ、代わりに何が強要されてきたのか。1609年の薩摩の侵入、1879年の明治政府による吸収合併、1945年の政体護持のための捨て石作戦とも評される沖縄戦の歴史的背景の中で、今日の政策や事件が受け止められているのである。歴史的展望を欠いたまま今日の沖縄の見ると、いかにも感情的で不合理に見えるかも知れない。第二の認識は「今があって今日がある」であり、沖縄の人々は今なお過剰な基地に起因する危険や有害刺激の曝されていて、“自己決定権”が否定されている状況は明白である。日本国憲法の下に復帰を果たして既に46年、沖縄県民は今なお日本国民とは認められていないという批判もある。

(3)2日目 11月25日(日)9:00~10:30 教育講演

視覚イメージで語る-ビジュアル・ナラティヴ
やまだようこ(京都大学名誉教授・立命館大学OIC総合研究機構)

ナラティヴ(narrative,もの語り)とは、ことばによって語る行為と語られたものをさす。ビジュアル・ナラティヴは、視覚イメージによって、あるいは視覚イメージとことばによって語ることである。

ビジュアル・ナラティヴでは、視覚イメージとことばが連動して働く。それによって、抽象的なことばはわかりやすい身体的なイメージを呼び起こし、自分の経験とむすびついた多様な生きたイメージとなり、新たなもの語りを生みやすくなる。

ビジュアル・ナラティヴは感性や直感によって伝える形式であり、異文化コミュニケーションや臨床コミュニケーションに力を発揮する。狭義の言語は論理的な概念や構造にしばられてきた。ビジュアルでは、数十巻の哲学書におさめられるような内容を曼荼羅のように1枚の絵にして全体的・直感的に把握できる

今までナラティヴのテクストを「小説」「言説」「会話」などに求めてきたのは狭すぎたといえよう。歴史的にみても文化的にみても、ことばだけで伝達するほうが特殊だからである。壁画、建築、衣装、化粧、装飾、絵巻物、絵解き、浮世絵など、古くから私たちはビジュアル・ナラティヴを使ってコミュニケーションしてきた。さらに現代では、バーチャル・リアリティやミックス・メディアなど、拡張された現実世界に生きている。

ビジュアル・ナラティヴは最先端の質的研究の理論や方法論を切りひらく可能性をもっている。本講演では、ビジュアル・ナラティヴの基礎理論とともに、豊富な事例を見ながら、医療や支援や教育に役立つ実践について具体的に考えてみたい。

(4)2日目 11月25日(日)10:45~12:15 特別講演

「文学、環境、人間 ― 場所学の可能性」
山里勝己先生(名桜大学学長)

20世紀後半の人文学研究における大きな変化のひとつは、研究の中に「環境」という視点を導入したことであった。地球環境の危機的な状況がはっきりと可視化されるようになってくると、当然のことながら、そのような世界のありようは私たちの思考に文大きな衝撃をもたらした。自然科学の研究の範疇だと考えられていた「環境」が、さまざまな人文学の分野で重要な概念として認識されるようになったのである。

文学研究においては、「環境文学」(Environmental Literature)という研究分野が確立されている。そして、アメリカ環境文学会(Association for the Study of Literature and Environment and Literature)の学会誌ISLEはいまオックスフォード出版局から刊行され、文学研究の新しい方向性を示すものとして多くの研究者に影響を与えている。

このような研究が進展する中で、当然のことながら、文学に表象される環境(自然)、人間、社会の見方が変わってきた。新しい人間像、新しい世界像、新しい「場所」像を求めて文学が読み直され、人間の住む「場所」の意味が問い直されるようになった。

本講演では、アメリカ文学を中心に、過去半世紀の間に文学に表象された人間や環境(自然)に関する変遷をたどりながら、「場所学」の可能性について聴衆の皆さまと一緒に考えてみたい。

ポスト企画 2018年11月26日(月) 申込受付中

特別企画セミナー 9:30~16:30

タイトル

「質的統合法」紹介セミナー

会場

名桜大学北部生涯学習推進センター研修室1です。

募集人員

30名

参加費

会員3,000円、非会員4,000円

講師

山浦晴男
(看護質的統合法(KJ法)研究会顧問、千葉大学大学院看護学研究科特命教授、名桜大学大学院非常勤講師、情報工房代表)

インストラクター

看護質的統合法(KJ法)研究会認定指導者

内容
  • 1)講義:科学的な質的研究法としての「質的統合法」の技法と理論
  • 2)演習:質的データの統合プロセスの実技体験
申し込み方法
メールで申し込み:
山梨県立大学看護学部泉宗美恵宛
izumune[at]yamanashi-ken.ac.jp ※[at]を@に置き換えてください。
締め切り日:
2018年8月31日(定員になり次第、締め切ります)
参加費:
当日受付にて受付(受講受付返信メールを受付で提示してください)
企画趣旨

日本質的心理学会第1回大会において、質的研究方法論の2本の柱として、「グラウンディド・セオリー(GT)」と「KJ法」が取り上げられた。KJ法については、創案者川喜田二郎氏を招いてそのエッセンスが紹介されている。その後本学会においては、長らくGTが中心的な役割を果たしてきた感がある。そこで本大会では、特別企画セミナーの形で、KJ法に準拠した「質的統合法(KJ法)」の最前線を、科学的な質的研究法の角度から紹介し、質的研究の前進に寄与したいと考えている。

協力団体

看護質的統合法(KJ法)研究会 http://n-kj.jp/

註1:
講師は、創案者川喜田二郎氏に20年間師事し、その後25年以上にわたり、医療・看護・介護・福祉分野や地域再生、企業・行政・大学での人材育成に携わり、実践的に質的研究法の研究・開発に努めてきている。
「質的統合法(KJ法)」の名称に関しては、川喜田研究所で商標登録している「KJ法」の商標権を侵害せず、研究者等の第三者に混乱を生じないようにすると同時に、講師の経歴に基づき、その出典を明らかにして創案者を尊重したいという主旨から、「質的統合法」という機能名称に加え、「KJ法」という出典名称を括弧書きで併記する方式をとっている。併せて、「KJ法」に準拠しながらも講師の25年以上にわたる実践経験に基づく技法上の精密化とオリジナルの教授法の開発や進化・発展の面から、このような名称としている。
註2:
参考図書 山浦晴男『質的統合法入門 考え方と手順』(2012、医学書院)
大会事務局
〒905-8585 沖縄県名護市字為又1220-1
名桜大学人間健康学部看護学科内 日本質的心理学会第15回大会準備委員会
E-mail: shitu15meio[at]gmail.com ※[at]を@に置き換えてください。
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